ご挨拶

 私たちの研究室は1981年4月に岡山大学歯学部歯科保存学第一講座として開設され、初代教授として井上 清先生(現本学名誉教授)が就任された。井上先生の退官後、2000年7月からは徳島大学より私 吉山昌宏が教授として就任し、精力的に教室運営を行っている。

 岡山大学歯学部は、2001年4月から大学院重点化に伴い医学部と合同で大学院大学としてスタートし、本研究室は生体機能再生・再建学講座という大講座の歯科保存修復学分野となった。診療科としては岡山大学病院むし歯科として保存科外来を担当し、修復・歯内・歯周治療を行っている。特に保存修復治療では、ダイレクトコンポジットレジン修復を中心として数多くの治療実績を有している。

 現在、本研究室では20名を越える教室員が在籍し、各自テーマをもって教育・臨床・研究に積極的に取り組んでいる。教育においては、主に保存修復学の講義と基礎実習および臨床実習を担当している。さらに、昨年からの新カリキュラムである選択科目の審美修復法を担当し、主に1年生を対象としたCRインレーやCAD/CAMインレーの実習を行っている。卒後臨床実習にも積極的に取り組んでおり、研修医の一般歯科治療の知識および技術の向上が図られている。研究では、歯質接着メカニズムの解析・フッ素徐放性材料の開発および二次う蝕抑制効果・う蝕細菌の修復物への付着メカニズムの解析といったテーマで各自研究に取り組んでいる。さらに、私 吉山が就任してからは、う蝕象牙質への接着(modified sealed restoration)および象牙質再生療法に関する研究がスタートし、現在これらの研究については基礎データの蓄積を行っている。

 本研究室では他大学との交流も盛んに行っており、国内および海外の大学との共同研究や、国内および海外の研究者を招いたシンポジウムの開催など保存修復学の発展に寄付している。

 近年、接着を応用した保存修復はめざましい発展を遂げつつある。しかし、新世代の歯科材料は接着性のみならず、象牙質再生機能をも発揮する歯科材料への進化が必要不可欠であり、このような歯科材料の開発によって保存修復学はさらなる発展をしていくものと考える。

岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科
歯科保存修復学分野
教授 吉山昌宏


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歯科保存修復学分野・むし歯科
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